【美容師が伝える】紫外線と髪の毛と頭皮の関係

美容師の今村です。なんとも良い天気の日が多くなってきましたねー。こんなに気分が良いと外にも出たくなるものですね！いや！出ねば！

しかし、そんな時にひっそりとあなたの美を奪う天敵の存在をご存知ですか？

紫外線です。

この季節ともなると、日焼け止めクリームをお肌に塗って外出することも多くなってくるかとは思いますが、髪の毛と頭皮にも同じようなケアはされていますか？

紫外線は、確実にあなたの髪の毛と頭皮にダメージを与えます。

紫外線って、悪い。とはなんとなく知っていたとしても、それは実際のところどれだけ悪いのか？今回から美容師のぼくが、紫外線の真実、及びあなたの大切な髪の毛と頭皮を紫外線から守る方法をお伝えいたします。

紫外線とは？

それでは、ざっくり目に詳しく紫外線のことをお伝えしてゆきます。

紫外線とは太陽光の一種です。簡単に分けると、可視光線、赤外線、紫外線と分類されます。この中の紫外線が今回のテーマです。つまり、「太陽の光のもとにいるだけで、あなたの髪の毛と頭皮は紫外線の恐怖に脅かされている」ということなのです。

紫外線の強い季節

紫外線の強い季節というと、夏を想像すると思われますが、実際は5月頃からだんだんと強くなってきます。ピークはやはり6〜8月で、一番少ない時期が12月だと言われています。しかし12月から2月でも5月の80％の紫外線量はありますので、厳密に言えば紫外線対策は1年中必要とも言えます。

紫外線の強い時間帯、場所、気候

太陽光を感じることができる時間帯は常に紫外線が降り注いでいると言っても過言ではありません。特に正午付近は太陽が高い位置にあることが多く、日陰も減るので特に紫外線に当たりやすくなってしまいます。

また、雨や雪の日にも紫外線は存在します。晴れの日と比べ、曇りの日で60〜80％、大雨の日でも30％存在します。

さらには、日陰になっている場所にいたとしても、紫外線の照り返しにも注意が必要です。特に砂や水の紫外線の反射率は高いので、海水浴の際には大きめのパラソルを推奨いたします。

紫外線による人体への影響

紫外線の人体への影響としては主に皮膚への影響が広く知られています。シミやたるみ、日焼けなど、さらには皮膚ガンの危険性もあると言われています。

また紫外線は肌の奥まで浸透するので、若くても細胞を老化させてしまうこともあり、この現象を光老化と言います。

さて、では本題です。

紫外線は髪の毛、そして頭皮に対してどのような影響を与えるのでしょうか？

紫外線による髪の毛への影響

そもそも髪の毛は頭皮を守る器官です。すなわち髪の毛は紫外線から頭皮を守っているという役目も担っています。よって髪の毛は非常に紫外線の影響を受けやすい部分でもあります。

具体的に説明します。

日本人の髪の毛はユウメラニンと呼ばれる赤黒いメラニン色素を多く保有しており、これが日本人の黒髪の簡単な理由です。紫外線は、この髪の毛の中のメラニン色素を分解して髪色を薄くしてしまいます。黒髪の場合、赤茶色っぽくしてしまい、光の加減では黄ばんで見えてしまうこともあります。

特に表面の髪の毛にこの影響が見られます。表面の髪の毛は直接日光を浴びやすいからです。ヘアカラーをしていると表面の髪の毛の色と、内側の髪の毛の色にだんだんと差が出てくるのはこの為です。

また紫外線は、髪の毛の主成分であるタンパク質を分解し、髪の水分や栄養を奪い乾燥した状態へと変化させます。この状態の髪の毛は枝毛（烈毛）や切れ毛（断毛）になりやすく、総じてダメージヘアーになり、毛先のまとまりも失われます。

紫外線の頭皮による影響

頭皮への影響はさらに深刻です。髪の毛に覆われているとはいえ、光老化の影響は髪の毛よりも重大です。何度も言うようですが、本当に綺麗な髪の毛は、清潔な頭皮からでしか育まれません。

当然ですが、頭皮は肌なので、紫外線を受け続けると肌荒れします。赤みを帯びたり、痒くなったり、頭皮も日焼けをするのです。頭皮は顔や体と違い、目で状態を確認しづらい場所なので、痛みやかゆみなどの違和感を感じるまで、頭皮が紫外線によるストレスを受けていることに気がつかない場合も多く存在します。

頭皮が紫外線に照射され続けると、頭皮の中の毛母細胞（髪の毛になる前の元の細胞）が破壊され、生えてくる髪の毛が弱々しくなったり、抜け毛が増えたり、さらには健康な髪の毛が生成されなくなることもあります。これが原因でヘアサイクルの乱れにもつながります。

また、毛母細胞の隣にメラノサイトと呼ばれる、髪の毛の色の成分であるメラニン色素をつくっている場所があるのですが、頭皮が紫外線の影響を受けるとメラノサイトの働きも低下します。これにより、髪の毛に供給されるメラニン色素の量が低下し、結果として白髪が発生しやすくなります。

メラノサイト内でメラニン色素が作られ放出されるイメージ（手書き）

紫外線から髪の毛と頭皮を守る方法

こう見ていくと、紫外線って非常に嫌ですね(*_*)

簡単にまとめると、紫外線は髪の毛を傷め、カラーの退色を早め、頭皮を乾燥させ、抜け毛、白髪を増やす。「美」とは正反対の状態ですね。なんとしても避けたい。紫外線！ではどうしたらあなたの大切な髪の毛と頭皮を紫外線から守れるのか！

ご安心ください。まずは簡単なことからご説明いたします。

日傘を使う

日傘は紫外線に対して非常に有効です。当然ですが自分を日陰の状態にしてくれます。面倒くさがらずに開きましょう！恥ずかしがらずにさしましょう！オサレですよ！

帽子をかぶる

髪の毛、頭皮を守るのに一番最適なのは、帽子をかぶることです。特に頭皮には最適で、頭皮が見える部分はありません（ほぼ）。特にひまわり帽子のようなつばの広い帽子は最適ですね！オサレです！

日陰を選んだ行動をとる

そもそも日向に出なければ、紫外線に照らされることはほとんどありません。日頃から陰のある部分を選んだ行動を取りましょう。信号待ち、バス待ち、電車待ち。常に陰のある女になる。なんて魅力的な生き方なのでしょう！

尊敬すべき生き方の例

出典 : ねこの島

しかし、、、

まずは、簡単なことから、、、しかし！今回のエントリのタイトルは、「【美容師が伝える】」です！上記三つの紫外線対策は、簡易的かつ心持ち的にも非常に重要ですが、美容師のぼくの観点からお伝えしたい予防法がまだまだあるのです！

今回は紫外線が、髪の毛と頭皮にとってどれほど恐ろしいものか、だけでもお分かりいただけたら幸いです。

そして次回は、より効果的で具体的な紫外線対策をお伝えいたします！

※次のお話→“【美容師が伝える】紫外線の正しい知識と、正しいケアの方法 “