【美容師が伝える】紫外線の正しい知識と、正しいケアの方法
美容師の今村です。紫外線があなたの綺麗な髪の毛と、健やかな頭皮に、あまりよくない影響を及ぼしていると、前回のお話ではお伝えさせていただきました。
今回も、美容師のぼくが、美容師の視点から、紫外線から髪に毛と頭皮をケアする正しい方法をお伝えさせていただきます。
どうかこのお話を読んだあなたが、素敵な夏の日差しの降り注ぐ中でも、素敵に輝けるようになることを祈って、、、!
※前回のお話→【美容師が伝える】紫外線と髪の毛と頭皮の関係
紫外線を避ける方法はわかった。、、、でも、、、。
さて、前回の紫外線のお話をかなりざっくり要約させていただきますと、
- 紫外線は髪の毛にダメージを与え、ヘアカラーの退色を促進させる。
- 紫外線は頭皮も乾燥させ、メラニン色素を減らし白髪になりやすくなる。
- なので、日傘をさし、帽子を被り、日陰の女になりましょう。
とお伝えしました。
いかがですか?正直、、、。って感じですよね。これでは
「夏の日差しの照りつける砂浜で、自慢のロングヘアーをなびかせながら、優しく打ち付ける波の音に耳を澄ませていたい!!!」
というあなたの願望が叶えられませんよね!そしてそんなことぼくに言われたくもないですよね!わかります!
そして、ぼくは寄り添うことで有名な美容師です。寄り添うことなら精神的にも肉体的にも非常に得意です。
失礼いたしました。でもご安心ください。あなたの綺麗なヘアースタイル、帽子を被ってしまうのはもったいないですよね!日傘忘れちゃう日もありますよね!日陰の女よりも日向の女になりたいですよね!
そんな願望に寄り添い、叶えます!それでは、以下を飽きずに最後までお読みください。(この記事の読了推定時間 : 頑張れば5分。)
日本の楽園、宮古島
紫外線詳しく種類abc
ここで改めて、小難しいお話をいくつか展開します。しかし、重要なことなのでどうかお付き合いお願いいたします。
そもそもの紫外線のお話から。
紫外線をさらに詳しく分類すると三つの種類に分けることができます。
波長の長い方からA、B、Cと分類され、それぞれ“UV-A”、”UV-B”、”UV-C”と呼ばれます。ちなみにUVとは”ウルトラヴァイオレット(Ultra Vioret)”の略称です。
この三つのうち太陽から、地球にいるあなたの元に降り注ぐのは、UV-A、UV-Bの二つです。UV-Cは届きません。、、、と言いたいところですが、最近の温暖化の影響等の理由により、UV-Cも届いてしまう可能性もあるそうです。
まぁここでは紫外線は、UV-A、UV-B、UV-Cの三種類がある、とだけでも覚えておいてくださいね。
日焼け止めの話
さて、お次は日焼け止めのお話をします。そう、あなたがいつもお使いの日焼け止めクリームのことです。
お出かけの前、お化粧の際に日焼け止め効果のあるクリームをお顔に使用したり、肌の露出する首や腕、足に使うことがあるかと思います。
そのお使いの日焼け止めのどこかに、
SPF○○
PA○○○○
といった記載がされているかと思います。○○○の中にはそれぞれ数値や“+”が入り、あなたもその記載を参考にして日焼け止めを購入しているかもしれませんね!
ではこの、SPF、及びPAの正しい意味はご存知ですか?
SPF値、PA値の意味
あなたはご存知かもしれませんが、説明させていただきます。
SPFとはUV-Bをどれだけ防止できるかの数値です。そしてPAとはUV-Aをどれだけ防止できるかの目安値です。
印象としては、SPF値の高いもの、PAの+の数が多いものが良さそうに感じますね!
ちなみにUV-AとUV-Bの違いについてですが、ここではそこまで重要ではないのですが、Aの方がBよりも量的に多く振りそそぐ、とだけでも覚えておいてください。
SPF(Sun Protection Factor)値
SPF値とは、シミやソバカス・皮膚ガンの原因となるUV-Bをどれだけカットしてくれるかの防御指数です。2から50までの数値で表され、その数値は有効時間を示すものです。SPF2だとすると、UV-Bから40分守ってくれるということです。SPF20ならば400分の6時間40分、SPF50ならば1000分、つまり16時間40分の間、UV-Bからあなたを守ってくれます。
PA(Protection Grade of UVA)値
PA値とは、皮膚を黒くするだけでなくシワやたるみの原因となるUV-Aをどれだけカットしてくれるかの防御指数です。”+”の記号で表され、最高で4つの”++++”まであります。”+”の数が多いほど肌の黒化を遅らせる防御能力を表し、+2で倍、++で4倍、+++で8倍、++++で16倍といった具合になります。
なんて丁寧な説明!、、、しかし!ここにちょっとした落とし穴が存在します。
SPFとPAを踏まえた、日焼け止めの正しい選び方
上記の記載でどこか気になったことは等はありませんか?SPF50、PA++++とか数値が高くてなんだかとっても良いものに感じますよね!
でも、それって約16時間もUV-Bから守ってくれるってことですよね?
、、、。
太陽って16時間も上がってましたっけ日本って?
そもそも普通に生活しているぶんには、16時間も外に居続けることってそんなにありませんよね?日本で一番日照時間の長い夏至でも、
- 札幌→15時間23分
- 東京→14時間35分
- 那覇→13時間47分
といった日照時間だそうです。あなたもご自分のライフスタイルを振り返った時に、そこまでのプロテクト時間は必要ないと気づくことだと思います。
さらに気をつけてほしいこと
しかし、だからと言って「効き目の長いものに越したことはない。」「数値が低いとなんだか不安、、、」「数値が高い方が紫外線をすごくブロックしてくれて安心!」と思いませんか?その気持ち!心配性のぼくには痛いほど分ります!
「長持ち効果のものをつけていて何が悪いの?」「大は小を兼ねる。」、、、色々あると思います。
しかし!そうではないのです。
これは全ての日焼け止めに当てはまることではありませんが、SPF及びPAが高く設定されているものは、低く設定されているものに比べて、“紫外線吸収剤“と呼ばれる成分が多く含まれています。
この紫外線吸収剤というものが紫外線を皮膚から守ってくれるのですが、この成分の弊害として、
- かぶれ
- しみ
- 湿疹
- 皮膚がん
の危険性が高まると言われています。これでは、本末転倒ですよね。皮膚を守るためのものが、逆に皮膚を危険に晒してしまうなんて、、、(吸収剤の多いものに限りますが)
これを防ぐには、紫外線吸収剤配合のものではなく、紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)のものを選ぶと良いでしょう。最近ではお肌に優しい、オーガニック日焼け止めなども豊富にあるので、そちらをセレクトしてみても良いと思います。
なので、目安としてですが、
SPF28
PA++
程度のものであれば、一般的な生活においての充分な日焼け対策ができるかと思います。
(補足)紫外線吸収剤についての知識
紫外線吸収剤の成分として、
- ケイヒ酸
- フェノール
- ベンゼン
- 安息香酸
等が挙げられますが、特に一番上の、「○○○ケイヒ酸○○○○」というものがお使いの日焼け止めの成分表記の最初の方に記載されていたら、それは注意が必要です。SPF値、PA値共に高く、使用しすぎるとお肌に先で挙げたような症状が出る場合もあります。
さらに、最近では、
- 乳がん
- 子宮肥大
- 男性ホルモンの阻害
といった環境ホルモン作用があるという報告もされており、正直怖いですね。知っておく価値はあると思います。
また、日焼け止めにはSPF値の低い紫外線散乱剤という成分を使用しているものもあります。吸収剤に比べ安全とされていますが、パウダー状で肌に白く残りやすいなど、使用感で多少使いづらいという声もあります。が、正しく使用すれば間違いなく吸収剤よりは安全なので、こちらを推奨いたします。(酸化亜鉛、酸化チタンが配合されているので、金属アレルギーの方には注意が必要です。)
まとめ
さて、今回は改めて、紫外線の種類や、それぞれに対応する日焼け止めの数値のお話をさせていただきました。特に「綺麗になりたい!」と思って使用しているものに対する、正しい知識、使い方をを知っておくことが非常に大切であるということが、なんとなくお分りいただけたかと思います。
そしてこれは何も、日焼け止めに限ったお話ではありません。あなたが日々お使いのシャンプーやトリートメントにも同じことが言えます。
「綺麗にしたい!」という思いがあるのは当たり前ですよね。でも、正しい知識や使い方を知っていないと、いつまでたっても髪の毛や頭皮が綺麗にならないばかりか、様々な問題を抱えてしまうこともあるのです。(この話は長くなるのでまたの機会に!)
次回は、これまでのお話を踏まえた上での、髪の毛と頭皮に特化した紫外線対策をお伝えしてゆきます。
夏はすぐそこ!ですが紫外線は今日も降り注いでいます!
よきサマーライフを!
この記事と合わせて読みたい
-
2017もよろしくお願いいたします!
こんにちわ。今村です。 2016も皆様のたくさんの笑顔に支えられ、無事に終えることができました。本当にどうもありがとうございました。 日頃から感謝の念は毎日毎日感じており、こんなに感謝を実感できる仕事ってやっぱり素敵だな!と改めて感じます。 …
-
【本当に綺麗な髪づくり】髪の毛の艶について考えるvol.2
本当に綺麗な髪の毛。本当の艶。本当とは何か?そんな踏み込んだ姿勢で、すこしでもわかりやすくお伝えできれば良いなと思いながら今回も書いてゆきます。 髪の艶は女性にとってはいくつになっても永遠の憧れ。その艶を本当の意味で纏えるような手助け押した …
-
【美容師が伝える】紫外線と髪の毛と頭皮の関係
美容師の今村です。なんとも良い天気の日が多くなってきましたねー。こんなに気分が良いと外にも出たくなるものですね!いや!出ねば! しかし、そんな時にひっそりとあなたの美を奪う天敵の存在をご存知ですか? 紫外線です。 …
この記事を書いた人
-
南青山ヘアーサロン muguet ディレクター
今村 祥平(イマムラ ショウヘイ)
来店前後の"カウンセリング"、髪の毛や頭皮に対する"お悩み、疑問ご相談"が好評です!24時間/365日、お待ちしています!
↓下のボタンからお問い合わせできます。↓
関連記事
-
shohei imamura hair & contents へようこそ
美容師がいろいろな事を伝えます。 はじめましての方は、はじめまして。はじめてじゃない方は、こんにちわ。東京は港区の南青山のmuguet(ミュゲ)という美容室で美容師をしております、今村祥平(いまむらしょうへい)と申します。これ …
-
【本当に綺麗な髪づくり】髪の毛の艶について考える vol.1
綺麗な髪の女性は、それだけで魅力的ですよね。触りたくなるような艶、風にゆれるサラサラ感。メディアではもちろんのこと、最近は街にもそのような髪をまとった女性が多くなったように感じます。美への意識やセレクトするプロダクツのレベルが年々上がってき …
-
【素髪を綺麗に】ヘアビューザーの実際の効果
ここ最近で、一般の方にもだいぶ浸透してきた感があるヘアビューザー。発売当初から、美容業界でも多くの注目を集め、現在ではメインのドライヤーとしての地位も確立されつつあると感じます。 実際にぼくもサロンワークでは、特定の場合を除い …
-
2016
おそくなりましたが、あけましておめでとうございます。今村です。今年も皆様、どうぞよろしくお願いいたします。このshohei imamura hair & contents が今年のぼくだと思っていただければ幸いです。写真とか文とか、 …
-
【本当に綺麗な髪づくり】髪の毛の艶について考えるvol.2
本当に綺麗な髪の毛。本当の艶。本当とは何か?そんな踏み込んだ姿勢で、すこしでもわかりやすくお伝えできれば良いなと思いながら今回も書いてゆきます。 髪の艶は女性にとってはいくつになっても永遠の憧れ。その艶を本当の意味で纏えるような手助け押した …