【本当に綺麗な髪づくり】セットのしやすいヘアースタイル vol.1

美容室でカットしてもらうと、日々のご自宅でのスタイリングが楽になります。当然ですね！しかし、1~2か月もするとシルエットもだんだん崩れて、スタイリングも難しくなってくる、、、。健康な人であれば、1か月に毛髪は約1cm伸びるのでお手入れがカットしたてと違ってくることは、これまた当然です。

しかし！1~2か月経っても素敵なシルエットのヘアースタイル創りを心がけていれば、お客様がご自宅でスタイリングに困ることを少しは抑えることができます。

今回からは、ご自宅で”セットのしやすいヘアースタイル “とはどのようなものなのか？またそのヘアースタイルはどのようなシルエットに変化してゆくのか？というテーマをお話しさせてゆきたいと思います。

人により異なる毛髪の伸びる速度

さて、まず最初に少し予備知識をご説明します。先に述べた、”毛髪は1か月に約1cm伸びる “と説明しましたが、これはあくまでも平均値です。人によっては2cm伸びるお客様もいれば、1cmも伸びていないようなお客様もいらっしゃいます。ぼくは、このお客様ごとに違った”伸びるスピード “も考慮してヘアースタイルを創ります。ものすごく簡単に説明すると、単純ですが、伸びる速度が早いお客様にはほんの少し短めに。伸びる速度が遅いお客様には、ジャストのレングス（長さ）設定をとります。

【参考】毛髪の伸びるスピードと、爪やまつ毛。の目安。

• 毛髪　　・・・　1日、約0.3mm。1か月、約1cm。
• まつ毛　・・・　1日、約0.18mm。1か月、約5mm。
• 爪　　　・・・　1日、約0.1mm。1か月、約3mm。

知っておきたいヘアサイクル

これまた予備知識になりますが、毛髪には “ヘアサイクル ” というものがあります。人間の毛髪は約10万本あり、多い方で13~14万本、少ない方で6~7万本であると言われています。しかし、この毛髪全てが同じ速度で伸びるわけではありません。

毛髪にはヘアサイクルといって、簡単に説明すると”伸びる時期の毛 “と、”伸びない時期の毛 “がそれぞれの周期に合わせて存在します。要は、毛髪は不揃いに伸びてゆくということです。これによりカットしたラインが全部そのまま伸びるのではなく、徐々にラインが崩れながら伸びていく、という理由です。結果ヘアースタイルが崩れるのです。

予備知識ですが、知っておくとためになる重要な知識です。

【参考】ヘアサイクルの詳細

• 成長期　　　・・・　毛髪が成長する周期。毛髪全体の85~95%。
• 退行期　　　・・・　毛髪の成長が弱い時期。毛髪全体の1~3%。
• 休止期　　　・・・　毛髪が完全に成長しない周期。毛髪全体の9~14%。
• 脱毛、新生　・・・　新しい毛髪が生え始めるのと同時に、古い毛髪を押し上げ自然脱毛する。

人それぞれの骨格や毛量や領域

そして上記の予備知識2項よりも重要な、素敵なヘアースタイル創りにとって欠かせない要素に、お客様の頭の骨格、毛量、毛髪の生えている領域、この三つが挙げられます。

頭の骨格の形状

頭は平面ではなく、丸いです。そして、場所によっては丸みの角度がなだらかであったり、急であったりします。自分の頭に手のひらをつけて、撫でてみてください。骨の張り出した急な部分、骨の感触が弱くなだらかな部分を感じることができるかと思います。そして、この骨格のバランスはやはりお客様ごとに異なります。

毛量の多い部分、少ない部分

頭の場所によって、毛髪が多く生えている部分、そこに比べると少ない部分が存在します。こめかみ付近はやや少なく、襟足付近は多いといった具合に、毛量は場所により差異があります。男性と女性の差は特に顕著です。この毛量分布の差異も当然、お客様ごとに違います。

毛髪の生えている領域、ヘアライン

髪の毛をオールバックに結ぶと、自分の顔周りの毛がどのように生えているのかがはっきりと確認できます。後ろの毛を一束に束ねても、自分のうなじのラインが見えると思います。真っ直ぐなライン、複雑なカーブ、角、が顔周りやうなじ、耳周りにも存在します。富士額があったりなかったり、襟足の領域が細かったり太かったり、、、。お客様によって、全く違うヘアラインが存在します。

素敵なヘアースタイルを創る前に、、、。

さて、今回はセットのしやすいヘアースタイルを創るために必要な事柄の、準備段階のお話になりました。

整理すると、

• 毛髪の伸びるスピード
• 不揃いに伸びるヘアサイクル
• 頭の骨格の形状
• 毛量分布
• 毛髪領域

の5項目ですね！他にも毛質や、顔や首の形状、施術履歴など、複合的に考えなくてはならないのですが、共通して断言できることは、触診、ヒアリングによる入念なカウンセリングです。1~2か月間、セットのしやすいヘアースタイルで維持するためには、お客様ごとに異なる、様々な素材をしっかり理解し、生かすことです。

次回からはぼくが実際に行っている、セットのしやすいヘアースタイル創りを具体的に説明させていただきます！

お楽しみに！

※続きます→”【本当に綺麗な髪づくり】セットのしやすいヘアースタイル vol.2 “